episode1

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「腕時計…どこに?」 「俺の家。取りに来いよ」 「無理です!持ってきてください」 「嫌だね」 意地悪そうにそう言うと彼は自身の腕時計を見て息を吐いた。 「10分になるな、面談は以上。それからこれ、俺の電話番号。登録しておくように」 「…は、はい」 切り替わったようにそう言ってノートパソコンを手にすると会議室から出ていった。 「…なんなの…」 極度の緊張から解放され、しゃがみこむ。 手には柊から手渡された連絡先が書かれたメモがある。呆然とそれを見つめて何度目かの息を吐く。
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