隣の純喫茶

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素敵な出会いはすぐ近くにあるんだ 受け止めれるかどうかだってことだ 朝から怠くて外に出ないでいようか と思っていたのが馬鹿らしい 外に出なければ出会えないっていうのに また近いうちに会えるといいなあと またあの女性のことを考えていた 私がお店を出ようとしたら 魂抜かれたような女とタイミングが重なった 私は急いでもいないから待っていたら その女が目で、先にお会計どうぞ?と "お先にどうぞ" 私は声に出して言った 女はすみません、と腰が低く 会計を済ませて出て行った 何に悩んでいるのか聞きそびれた なんて思うのはどうしてだろうか 私の番がやってきたので ごちそうさま、ありがとうを言って店を出た こんなに有意義な日は久しぶりだった 小さいことで幸せを感じられる人で あり続けたいと心から思った 後に薬局の若者がまた魅力的で 気分が良くなったのはまた別の話だ
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