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有希人は甲坂のようなタイプには免疫がないから。出会ったことがないから―――。憧れで終わればいいけれど。
あの年頃は色々と難しい。言葉をかける時でさえ慎重になる時がある。
あ…!
大事な事を忘れていた!有希人や甲坂に出会ったせいで、茂森の存在がすっかり抜け落ちていた。
『あきちゃんが好き。彼氏になりたい』。
明日からどんな顔して会えばいいのだろう、バイトを休もうか?
なぜ告白をしたんだよ、キスをした?幼なじみの関係では駄目なのか、俺達。
※※茂森Side※※
とうとう『好きだ』と告白をした。……してしまった!
あきちゃん、ビックリしたよな。キスをしたのだって強引だったかな、と思ってる。告白は、もう少し先にしようと考えてたんだ。
だって俺、あきちゃんと背が変わらないし見た目は『可愛い』部類に入るから。
男で『可愛い』って言われるたびに落ち込むんだぜ。その点は有希も悩んでいるらしいが。
なぜ焦って、勢いで告白しちゃったんだろ。今日出会った『神城廉也』さんの影響がかなり大きいよな~。一流の、トップクラスのモデルさんだった。
あまりにも格好よすぎて心の中がヤキモキした。
あの堅物のあきちゃんが完全に見惚れていた。
ずーとずーと、片想いをしていたんだよ、今さら渡せない。
意地っ張りですぐ怒るけど面倒見がよくて、どこか抜けているあきちゃんが好きなんだ。
大人になったら背だって高くなる。エスコート出来るぐらいの大人の男性になる。
だからそれまで待っててくれないかなぁ。
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