※※廉也END※※両想いのキス

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「明日は台風21号が北上するでしょう。充分な警戒を……」 「ちぇ、学校休みの日じゃん!」  夕食後、リビングで、テレビの天気予報を聞いていた圭人だけが剥れていた。台風は予報通りの進路を北上する。わざわざおばさんに尋ねなくても、サッカーの試合の日延べは確実だ。来週は、廉也さんと約束がある。理由を話して、応援に駆けつけたい。自分の決意は固まった。 ◇◇◇◇◇  9時50分。廉也さんと約束をした場所で、ドキドキしながら待ち続けていた。不安と緊張が入り混じる。 「お待たせ。おはよう、木城くん」 「おはようございます」  弾かれたように顔を上げる。MA-1のジャケットの下には白のスエットTシャツ、黒のスキニー、たぶんラフな格好なんだろうけど……。すっげー格好いい!見惚れてしまった。 「行こうか?」 「はい」  それに比べて俺は……。パーカーにジーンズ、スニーカーを合わせただけの普段の格好だ。せめてスタジオのバイト先でいただいた洋服を、着てくればよかったな。 「どうしたの、木城くん」 「なんでも……ありません」 いつもの気の強さはどこに行った?てなくらい、肩を落とす。ダメだ、暗い顔をしては。かえって気を遣わせてしまう。 「俺はこういうの、慣れてな……。初めてで緊張してます」 「友達同士で出かけてると思えば、いいよ」  やはり気を遣わせてしまった!俺の言う初めてとは、廉也さんに告白をする、という意味だ。どう言葉を繋げばいいのだろう。
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