※※廉也END※※両想いのキス

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試合最後は、監督の言葉を茂森たち、スタメンメンバーは真剣に聞いていた。 「みんな、お疲れさま!前半は、自分たちのやりたいことができたな。途中、相手校のパワーに押され気味になったけど、失点ゼロで抑えたのは、お前ら全メンバーたちの実力を発揮したからだ。次の試合もベストな状態で臨みたい。必ず勝つ!」 『はいっ!』 『勝とう』ではなく『勝つ』。監督の熱い思いが伝わる。なんだか俺も目頭が熱い。うるっとくる。高校生活の青春の一コマ。1ページ1ページ、思い出が刻まれていく。茂森、ほんと良かったな。俺もその場面に立ち会えて嬉しくて……。おめでとう。次も悔いのないように、頑張れ。 この後、俺は茂森と大事な話しをしなければならないのか。 ※※※※※ 気が重い俺の足取りは茂森を探していた。LINEで廉也さんからメッセージが届く。 『俺のことは気にせずに。ゆっくり話し合いをしてね』 すごくすごく、気を遣ってくれるんだ。最後は頑張って、のスタンプだ。廉也さんでもスタンプ使うんだ?イメージがなかったが。 『ありがとうござます。廉也さんこそ、身バレしませんでしたか?』『大丈夫だよ、なんとかバレずにすんだから』 ポチポチ、返信を裏庭で打っていると……。 「あきちゃん?」 ユニフォーム姿の茂森だ!ドキン、となる。 「応援に来てくれたんだ?」 「あ、うん。まぁな。茂森に応援に来るなと言われても、どうしても来たかった」 「そっか……神城さんも一緒だろ?」 「うん」 茂森の肩が沈む。やっぱり、という顔つきだ。 「試合勝ったんだな、おめでとう!サイコーにかっこよかった!」 「うん、ありがとう」 そのわりには、暗いな。茂森と俺は人目のつかない静かな場所へと移動した。 「あきちゃん」 さきに口を開いたのは、茂森だ。俺のハートはさらに高くなり響く。 「次も必ず勝つよ!来てくれてありがとう」 「あ、うん!次もな、応援に行ってもいいなら、行くよ!そうだ、これ」 「わぁ、あきちゃんの手作り?」 茂森の顔が明るくなる。俺の手作りのマドレーヌが入ったペーパーバッグを、嬉しそうに受け取った。 「あきちゃん、ありがとう。神城さんと仲良くね」 え?茂森、まさか、お前……。意外だった、気がついていたのか?いつからなんだ?
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