※※廉也LAST END①※※みんなの笑顔

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※※廉也LAST END①※※みんなの笑顔

「あきちゃん?どうしたんだよ?」 くるりと振り返った茂森は、くすくす笑い出した。俺は声をかけようか、かけないかでどうしようかと悩み、変な顔をしていたらしい。 「あ、のな。おはよう、茂森」 「おはよう、あきちゃん!」 距離は縮まらない。茂森が立ち止まる。キョドる俺を見て、ニッコリ微笑んだ。 「あきちゃん!」 「なんだよ?」 「あきちゃん、大好き!」 「おわっ?!」 こ、コイツ!ジャンプしやがった!茂森が俺に抱きつく。これじゃあ、以前と同じだ―――! 「俺が好きな間は好きでいる。この気持ちはさ、そう簡単にはかえられそうもないから。それだけは、ごめんね?」 「…うん」 少し声のトーンをおとした茂森がボソッと呟いた。そんで、俺から離れる。 「しばらくは別々に学校行こ!あきちゃん、またね!」 「ああ、またな」 茂森は背中を見せ走り出した。昨日と同じ光景だ。その背中が寂しげに見えたのは、気のせいなのだろうか。 茂森、ごめんな。 お前にもいつか―――。 ゆっくり歩き出す俺は、何度も何度も心の中で謝った。 今日は夕方からのバイトが入ってる。急いで帰宅して、最近、有紀人が家事を手伝ってくれるようになったんだ。有紀人の手伝いのできる範囲での話しだが。 「にいちゃん、行ってら〜!夕飯は、すぐ食べられるように準備しとくよ!」 「行ってきます。味付けも完璧だからな、期待していい」 「来年は同じ高校だね、晶にぃ」 「……ああ」 すこーし、複雑な心境だった。ま、有紀人が受験勉強に身が入るなら、ヨシとするか。笑顔の有紀人に見送られ、バス停まで走り出す。今日も、明日も頑張ろう。
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