※※廉也LAST END①※※みんなの笑顔

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来月は、サッカーの試合の応援にかけつけて、そのあとは例のブライダルフェアの打ち合わせや、レッスンなどなど予定が盛りだくさんだった。事務所の副社長は廉也さんの相手役を引き受けた俺に、手放しで喜んでいた。 ―――付き合っているのは内緒だけど。 「いやぁ、うちの事務所も一気に有名か~!ありがとう、木城くん!」 「……はぁ」 それよりも、バイト代!弾んでくれるんだろな? 「大丈夫だよ、ばっちり任せて!」 ウィンクされてもなぁ……。 「お疲れさまでした、おさきに失礼します」 「またね、木城くん。お疲れさまー!」 かるーいノリの副社長に別れを告げて、バイト先をあとにした。 「木城くん、お疲れさま」 「廉也さん、お疲れさまです」 廉也さんは別のスタジオで撮影があり、早めに切り上げた俺と会う約束をしていたんだ。さすがに、夜は冷え込む。 「寒いね、どこかで温かいものでも飲む?」 「そ、ですね」 俺の頭を撫で、それから廉也さんの腕の中へ。うわ、まだ慣れないや……。 「毎日、返したくないって思うよ」 「廉也さん……」 誰かが見てるかもしれないから、1度だけキスをした。 「カフェでも行こか」 「人だかりの中、大丈夫ですか?」 「……たまにはフツーにデートしたい」 手を繋ぎ歩き出す。心はポカポカ、繋ぐ手もポカポカだ。 「売れなかった時代は、売れたい願望が強くて。売れっ子になったらなったで、悩みはつきものだ」 俺の顔を見て、苦笑混じりにそう告げる。 「だからさ。木城くんが高校を卒業したら、俺と住まない?」 「えっ」 それって、同棲―――?! いきなりの提案で、心臓がドキドキする。廉也さんの瞳は真剣そのものだ。
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