※※廉也LAST END①※※みんなの笑顔

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「ちょ、晶人!いまの話しはどういうことだ?」 「晶にぃ、本気なの?」 「あ、うん。まだ決めかねているけれど」 わわ。想像した以上の反応だった!廉也さんに相談をせず、ひとりで突っ走てしまったか。 お袋だけ、なにも発さない。 「えーと、だな。晶人と神城さんが付き合いはじめて…。お前が高校を卒業したら、この家を出るのか」 「うん、その予定だった。……けどお袋の妊娠が判明しただろ。来年は俺が受験生だしな。勉強をがんばりたいんだ」 塾に通ってないからな。余分な出費は避けたい……、のが本音だった。 「真人さん、この子……堕ろしましょう」 えっ。全員が驚いた。 「いまならまだ間に合うわ。みんなに、迷惑……かけられ…なっ……」 「早樹ちゃん……」 そこで、ポロポロと涙を零したお袋の声が震えていた。すべては 、くそ親父がっ。……けれど、授かった尊い命だ。俺たちの家族だ。無事に産んであげてほしい。 「……あんまり。ううん、家族の問題には……」 どうしよ。こんな時に、廉也さんの顔が浮かぶなんて。利用してるとしか思えない。サイテーな俺。 その時。ジーンズのポケットにしまっていたスマホが震える。……廉也さんだ。出るか、出ないか。 ―――結局、出れなかった。家族の問題に巻き込みたくなかったんだ。 「親父、お袋の精神状態がおちついたら、あらためて家族会議をしようよ。俺もどうしたらいいのか、考えてみる」 「そ、そうだよ!お袋の体調が1番優先だよ。体をやすめて。お腹の赤ちゃんにも影響するからさ」 「晶人、有紀人、ごめんな」 有紀人の言うとおりだ。お袋の体が1番大事だ。この日の家族会議は、3日後に延ばしたんだ。 風呂から上がり、ベッドの上に寝転んだ。ぼんやり天井を見ていた。……また、スマホが鳴る。そういや、返信してなかったなぁ。 「……はい、もしもし」 「木城くん、こんばんは。勉強中ならLINEにするよ」 「いえ、そろそろ寝るところです。さっきは、風呂に入ってました。すぐに出れなくて、ごめんなさい」 あーう、ダメだ。声が沈んでしまう。
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