※※廉也LAST END①※※みんなの笑顔

11/13
前へ
/159ページ
次へ
「晶人、神城さんと付き合っているのか?」 「え、まぁ。はい」 彼方さんは長い息を吐く。反対は、反対、なんだろうな。 「しばらく俺が来ない間に…」 彼方さんには悪かったが、好きになった気持ちは大事にしたい。 「木城さん。この件もそうですが、首を突っ込むには、関わるには、きちんと最後まで責任はとります。経済的な面も含めて。晶人くん達に必要なのは、穏やかな日常生活が送れる場所だと思う」 「……たしかにな。1番優先なのは、義姉さんの体調だ。圭人や春人、有紀人、晶人…。お前らの安定した生活だな。兄さん、あんたは“おまけ”だが」 おまけ…。辛辣なたとえだ!ツラっといいのける彼方さんは、親父に軽蔑の眼差しを向けていた。 「キッツ〜!俺が正社員になって、早樹ちゃんが元気になるまで家のことも手伝うよ」 「あたりまえだ!……それと、こんな時に悪いけど、じつは――」 彼方さんが家を訪れたのは、来年、身を固める報告だった。3年間、付き合っていた彼女とついにゴールイン! 「おめでとう、彼方さん!」 「お、やっとか。堅物のお前が な~。おめでとう。式はいつだ? 」 「木城さん、おめでとうございます」 「来年の11月だよ。今度、連れてくる。事情を話せば、彼女も協力してくれるとおもう」 彼方さんの彼女か。きっと、ものすごい美人さんなんだろう。 来年は、俺んちは5人目が誕生。彼方さんの結婚。俺は……廉也さんと同棲してるかもしれない。 「話しを煮詰めるが、経済的なことは心配しなくていい。足りない生活費は俺と神城さんで補うから」 「そう、ですね。有紀人くん、圭人くん、春人くんのこともね。心配しなくていいよ」 廉也さんと彼方さんが全面的にバッグアップしてくれる。なんて頼りなるんだ、心強い。それに比べて親父は―――。 チラッと見てみた。 「な、な、なんだよ!俺だって」 「あー、そう?せいぜい、よいところを見せてよ?約束だよ、親父」 廉也さん、彼方さんの前で宣言したんだ。約束は約束だ。親父が道をはずさないように、監視は必要だけど。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加