路地裏

1/3
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 私、見てはいけないものをみてしまったみたいです。  あっさりと振られてしまう、彼の姿を、路地裏でみてしまいました。  彼は力ない足取りで私の方に向かってきました。  元気のない、今にも倒れてしまいそうな、そんな足取りでした。  彼はまだ私に気づいていないようです。  ふと、彼の足が止まり、目線を私の方に向けて、愛想笑いしてくれました。   「あの、僕の、見てました?」 「あ、見てしまいました、すみません」 「いえ、全然大丈夫です」  
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!