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そう言い残すと、彼はまた、とぼとぼと歩き、路地裏から消えてゆきました。
少し遠くから、高校生くらいの女の子が走ってくるのが見えました。
さっきの彼の、彼女だった子、でしょうか。
必死そうな、今にも泣き出しそうな顔でした。
「さっき、この辺りを高校生が通りませんでしたか?」
「うん、通りましたよ」
「ありがとうございます」
やっぱりそうでした。
振ったのに、諦めきれなかったようです。
彼女もまた、路地裏からきえてゆきました。
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