ヤンデレ予備軍

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 頭が良いのが自慢したいのか、と辛辣な思い。  心にゆとりがなくなりかけているのを感じた。    駄目だ。そろそろお暇しよう。盛り下げるかもしれないが、我慢の限界がある。  折角の美味しい食事も、これでは台無しである。  男のものであろう刺激臭に近い香水に耐えつつ、口を開いた。 「すみません。私たち、帰りますね」 「えぇ、早すぎじゃん。もう少しいてよ」 「いえ、明日は予定があって。朝早くてですね」 「大丈夫だって。ね、ちゃんと送っていくし。女の子二人で帰るのは危ないって。襲われちゃうよー?」  目の前の男、どうにもしつこい。  後輩も帰り支度していたが、男の嘗めきった台詞に固まっていた。小声で「大丈夫かは私と先輩が決めるんだけど」と呟いたのが聞こえた。  天使のように優しい彼女でも怒るのだと、場違いな感想を抱いた。  現実逃避である。  どう乗り切るか。頭の中で次なる一手を考え倦ねていると。 「――あぁ、いたいた。こんなところで何してんの。探しちゃったじゃん」  よく、通る声であった。
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