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黙ってると、上條君が
「話して。」
「……………会議室で……永本君に……いきなり押し倒されて………ネクタイで椅子の足と両手を………拘束されて……やりたくなったって………言われて……殺されると思っ」
言い終わる前に
「ちょっと待って。そっちにも、取ろうと思えば取れるけど………一般的には、男のやりたくなったって、殺したくなったんじゃなくて、体の関係を持ちたいっていう言葉になるんだよ。」
「え?」
驚いて上條君の顔を見ると、無表情で
「だから、永本さんは、無理矢理でも燈と体の関係を持ちたいって思ったってこと。」
永本君が?
私と体の関係……………。
そう思ってると、上條君が
「………永本さんに、何されたの?」
上條君はドアから手を離して、腕組みをした。
上條君の顔を見れなくて下を向きながら
「……ほっぺたに……キスと………首に顔を………埋められて………匂いフェチ?とかで……嗅がれた…………。」
「………それで?」
上條君の声が不機嫌に変わった。
「………好みの匂いって言われて……解放された………。」
「……何か言われなかった?」
「………お詫びをさせてほしいって……言われた…。」
「…………他には?」
「………………それだけ。」
数秒間の沈黙があって
「…………燈は、男に恐怖心は芽生えた?」
男の人に恐怖心………?
「………分からない……。」
「さっき、俺が手首を掴んだけど、怖くなかった?」
怖いよりドキドキした………って言っていいのかな………。
でも、恥ずかしい…………。
「…………怖くなかった……。」
そう言うと、数秒間の沈黙があって、上條君が
「………永本さんに、どっちの首の匂い嗅がれたの?」
「え?」
顔をあげて上條君を見ると、不機嫌な表情で
「アップデートする。」
アップデート…………って。
何をするの………?
困惑しながら
「………右側……。」
そう言うと、上條君が私に近づいて、右手を私の頭に回して、後ろから私の右側の髪の毛を背中に流す。
近いよ………。
上條君に髪の毛、触られてる………。
それに上條君に片手で抱き締められてるみたいで、ドキドキしちゃう…………。
そう思ってると
「どの辺り?」
恥ずかしくて下を向きながら
「…………ここと、………ここ。」
指で円を描いて触ると、上條君は左手の指先で首の横と、うなじに触れる。
上條君に触られて、ドキドキが止まらない………。
そう思ってると、上條君の顔が私の首の横に埋められて、上條君の唇が触れた。
体がビクッとする。
え?
体が反応しちゃった………恥ずかしい………。
首にキスされるの初めてだ…………。
上條君は私が指で円を描いた部分に、唇で触れていく。
その度に、体がビクッとしていると
「いじめたくなるから、ジッとしてて。」
いじめたくなる…………?
「………うん……。」
上條君は私の襟足を手でかきあげながら、うなじにも唇で触れていく。
また体がビクッとする。
恥ずかしい…………。
ジッと出来ないよ…………。
それに上條君と、さっきより距離が近い…………。
目の前に上條君の肩があるし、上條君の匂いもするし…………心臓が持たないよ。
そう思ってると、上條君のスマホが鳴って、ポケットからスマホを取り出すと
「……松永さんだ。」
と、呟いた。
胸がズキンっとする。
上條君は電話に出て
「はい、…………今からですか?…………分かりました、すぐに戻ります。」
電話を切って、スマホをポケットにしまいながら
「燈は、身体の痛みに苦手?」
「え?」
上條君の方を向くと、真剣な表情で
「いいから、答えて。」
「………痛いのは、苦手な方かもしれない……。」
「……少しチクッとするぐらいなら、大丈夫?」
え?
何をするの………?
「…………うん、…多分……。」
そう言うと、上條君は私の首の横に顔を埋めて、唇を押し付けて強く吸った。
本当にチクッとした………。
唇が離れると、上條君が
「頭、逆に向けて。」
そう言われて、頭を逆に向けると、上條君は私の左側の髪の毛を後ろに流して、首の横に唇を押し付けて強く吸った。
またチクッとした………。
「………上條君、何をしたの?」
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