オレンジ☆チョコレート

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「いいよ。3人で行こう。」 下妻さんがニンマリとした。 3人で並んで歩いていると 「上條君はどこの出身なの?」 下妻さんが上條君に聞いた。 私も少し気になる。 「僕は群馬県です。」 そう言うとニコッと笑った。 あ、上條君の愛想笑い。 やっぱりさっきの笑顔の方が自然体でいいな。 そう思っていると 「的場さんはどこの出身なんですか?」 上條君がニコッと笑った。 でも上條君の愛想笑いに、まだドキっとしちゃうな。 「私は」と、話そうとしたら 「的場さんは東京出身だよ。俺は神奈川、出身。」 下妻さんが代わりに話した。 なぜ下妻さんが答えるんだろう……。 「分からないことがあったら、的場さんに聞くといいよ。それでも分からない時は、俺に聞いて。」 下妻さんが上條君にニンマリと笑った。 「はい。的場さん、今日はどこで呑み会ですか?」 上條君がニコッとしながら、私の顔を見ると 「ここの近くの居酒屋だよ。上條君は酒、強いの?」 下妻さんが答えた。 どうして下妻さんが……。 「僕は普通ぐらいだと思います。」 「そうなんだ、俺は強いよ。」 下妻さんがニンマリと笑った。 「的場さんはどうですか?」 上條君が私を見ると 「的場さんはね、呑めるけど、すぐに顔が赤くなるよね。」 下妻さんがニンマリと私を見た。 また下妻さんが………。 「じゃあ、弱いってことですか?」 上條君は下妻さんを見た。 「そうなのかな。いつも顔が赤くなるけど、呑んでるからね。でも俺がいるから大丈夫だよ。」 下妻さんがニンマリと上條君を見た。 下妻さん、どうしちゃったの? 「的場さんは、お酒のつまみは何が好きですか?」 上條君は私を見てから下妻さんを見た。 ん?どうして私を見てから下妻さんを見たんだろう……。 「的場さんはね、枝豆とか、チーズとか、好きだよね。」 下妻さんが私を見た。 また下妻さんが答えてる……。 でもなんで知ってるんだろう………。 「……はい。上條君は?」 私がそう聞いて上條君を見ると下妻さんが 「上條君は若いから、何でもつまみになるでしょ。」 アハハハハと笑って上條君を見た。 「僕にだって、好きなつまみぐらいありますよ。」 上條君は下妻さんを見た。 なんだか変な雰囲気……。 そう思っていると居酒屋さんに到着した。 下妻さんが座る場所を決めて、他の人たちが来るのを待つことにした。 その間も下妻さんと上條君はにこやかに会話をしていた。 時より上條君が私に話を振ってくれるけど、下妻さんが答えてしまって、どうして下妻さんはそんなことをするのか考えていた。 30分が経って全員が集合して、飲み会が始まった。 「上條君、的場さんが教育係りでどう?」 そんなことを局長が上條君に聞いた。 なんて答えるんだろう…。 不安とか言われちゃってたし。 チラリと上條君を見るとニコッとしながら 「分からない所や、細かい所まで丁寧に教えて下さるので、的場さんが教育係りで良かったです。」 え?そうなの? 少しは自信持っていいのかな。 「的場さん、良かったね。」 局長がアハハハハと笑いながら私を見た。 「はい。」 嬉しくなってビールを呑んでいると、上條君が 「的場さん、僕の枝豆、どうぞ。」 と渡してくれた。 「ありがとうございます。」 受け取ると、下妻さんが 「俺の枝豆も、どうぞ。」 ニンマリと私を見た。 え?いつもそんなことしないのに。 今日の下妻さん、どうしたんだろう……。 「ありがとうございます。」
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