オレンジ☆チョコレート

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「……パスタを食べたよ。」 湯呑みをお盆に乗せて上條君に湯呑みを置いて、正座をして座ると 「ありがとう。」 上條君は湯呑みを持って、フーッ、フーッと息を吐いたあと、お茶を飲んで、湯呑みを見つめながら 「……下妻さんに何か言われた?」 下妻さんに? 言っていいのかな…。 また不機嫌になったら、嫌だな…。 上條君を見れなくて目線を外しながら 「言われたと言えば、言われたよ。」 上條君は湯呑みをテーブルに置いて 「……嬉しかった?」 え? 嬉しい? 「……嬉しいよりビックリした。」 「ふーん。」 上條君が湯呑みを両手で囲って、両手の親指 を回して、それを見つめながら 「……燈の気持ちは変わった?」 私の気持ち? さっきからどうしたんだろう……。 「頼れる先輩だったけど、酔いつぶれちゃったとこ見たら、分からなくなった。」 「ふーん。」 また私のスマホが鳴る。 ポケットから取り出すと、下妻さんからの電話だった。 上條君がまた不機嫌な表情になって 「下妻さん?」 不機嫌になっちゃった……。 「うん。」 上條君はため息をついて 「しつこいから、出ていいよ。」 そう言われて電話に出た。 「的場さん?」 「はい。」 「やっと繋がった。家に帰れたか?」 「はい、今お家にいます。」 「そうか。無事に帰れたんだな、良かった。」 「心配かけてすみませんでした。」 「いいや、こっちこそ、寝ちゃってすまなかった。でも、ホテル代は明日返すよ。」 「いや、いいんです。食事を奢って貰ったので。」 「それはいいんだ。」 「よくないです。」 「困ったな…。」 「受け取ってください。」 「じゃあ、このお金でもう一回食事に行かないか?」 「食事ですか?」 そう言うと、上條君が私のスマホを取って切ってしまった。 また電話を勝手に切った。 横暴だよ。 「なんで勝手に切っちゃうの?」 不機嫌な顔の上條君を睨んだ。 「何、その顔は。下妻さんに、抱きつかれて嬉しくなった?」 は? 下妻さんに抱き締められたことは、今関係ないじゃない。 嬉しいどころじゃなかったよ……。 「どうして抱き締められたことが出てくるの?」 そう言うと上條君が私を睨んで 「まず、俺の質問に答えて。嬉しかった?」 俺様だ。 睨み返されちゃった。 「嬉しくなかった。」 フンッと横を向いたら 「初めてでしょ?燈にとっては大切な初めて。」 私にとっての大切な初めて? それはそうだけど……。 「それはそうだったけど…。」 上條君の方をチラッと見ると、不機嫌な表情でお茶を飲んで 「大切にしてほしかった。」 大切に? 私の初めてを? そんな風に思ってくれてたんだ……。 そう思っていると、上條君は立ち上がって 「帰る。」 え? もう帰るの?
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