オレンジ☆チョコレート

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挽回…? どうしよう………。 そう思って、下妻さんの顔を見れなくて下を向いてると 「朝から2人でコソコソ話ですか?熱いですね。」 声がする方を見ると上條君だった。 上條君を見ただけでドキッとする。 上條君が下妻さんに向けてニコッと笑うと 「な、何を言ってるんだ。ちょっと用件があってだな。」 下妻さんが慌てて私から大きく離れて、頭を掻いた。 上條君に下妻さんといる所を見られて、胸が苦しいのはどうして? 上條君は私の方を向いて 「おはようございます。今日もよろしくお願いします。」 お辞儀をした。 昨日のことを思い出しちゃう………。 どうしたらいいか分からない……。 「おはようございます……。」 上條君の顔を見れなくて、顔を下に向けると、上條君が 「なんだか僕、邪魔みたいですね。」 そう言って通り過ぎて行った。 「………なんか話がむやむやになったな。」 下妻さんがため息をついて 「食事の件、ゆっくりでいいから、考えておいてくれ。」 そう言い残して、下妻さんは戻ってしまった。 どうしよう………。 デスクに戻ると、根室さんと目が合って、なぜかウフフと笑った。 なんだろう……。 そう思っていると、上條君が横にきた。 反射的に体が後退りして、上條君の顔が見れなくて顔を下に向けると、上條君はポケットからスマホを取り出して操作する。 私のスマホが鳴って見ると、上條君からだった。 心臓がドキッとする。 上條君って名前を見ただけでドキッとしちゃうなんて…………。 メールを見ると、『その態度は何?普通にして。』 普通にって…………上條君を見ると、昨日のことを思い出して恥ずかしくて見れない………。 そう思いながら、スマホを見つめていると 「今日は何の仕事がありますか?」 上條君がいつも通りの口調で聞いてきた。 上條君の顔を見ないで 「この資料を50部、コピーして下さい。」 そう言ってプリントを渡す時に、上條君の指先と触れてしまった。 上條君の手と触れあっちゃった………。 反射的にプリントから手を引っ込めると、プリントがひらりと、床に落ちた。 それを拾おうとしゃがむと、上條君もしゃがんで、同時に手が重なる。 あ、また触れあっちゃった………。 上條君に手の甲にキスされたことを思い出しちゃう………。 恥ずかしくて手を胸元に持ってきて、上條君が触れた部分をもう片手で包んで、俯いた。 心臓がドキドキする。 上條君は片膝をついて、ポケットからメモ紙とペンを取り出す。 何かを書いて、メモ紙をちぎって私の目の前に見せてきた。 『意識しすぎ。またお仕置きされたいの?』 意識しすぎって………意識しちゃうよ…………。 上條君は平気なの………? しかも、またお仕置きって…………。 そう思っていると、上條君はメモ紙とペンをポケットにしまって、書いたメモ紙を丸めてゴミ箱に捨てた。 床に落ちたプリントを拾いながら 「50部でいいんですよね?」 またお仕置きされないためにも、上條君の顔を見た方がいいよね……? でもドキドキしちゃう………。 そう思いながら、上條君の顔を見ると、上條君の目が見開いたあと、視線を外された。 何秒か経って、上條君はまたポケットからメモ紙とペンを取り出して、何かを書き始めた。 なんだろう…………。 上條君は書き終わると、メモ紙を持ったまま私の目の前に見せてきた。 『その顔、すぐにやめて。』 すぐに…………? やめて…………? そう思っていると、上條君は立ち上がってコピー機の方へ行ってしまった。 上條君の顔を見て、まだ心臓がドキドキしてる……………。 顔が熱い………。 そう思っていると、 「的場さん。」 下妻さんに呼ばれて、下妻さんのデスクに行くと、私を見るなり下妻さんの目が見開いた。 え? 下妻さんはすぐに目線を外して口元にまるめた手を持ってきて咳払いをして、私に視線を戻すと、ジーッと見て唾を飲み込んだ。 何? そう思っていると、下妻さんはまた視線を外しながら 「これ、午前中までに頼む。」 プリントを渡された。 「はい。」 戻ろうとすると 「的場さん………あとで……話があるから、会議室に来てくれ。」 下妻さんを見ると、視線を下に向けていた。 「何時頃ですか?」 「………10時頃。」 「分かりました。」 不思議に思いながら、デスクに戻った。
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