オレンジ☆チョコレート

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下妻さんは立ち上がって 「……話は、そのことを伝えたかったんだ…。仕事に戻ろう。」 「………はい。」 永本君に匂いを嗅がれて、下妻さんからは顔のことで注意された………。 上條君からも顔のこと、やめてほしいって書かれた………。 今度から赤い顔で目を潤ませないようにしなくちゃ………。 お昼になって、コンビニのお弁当を買いに行って会社に戻ってくると、上條君と松永さんが戻ってきて 「上條君、お昼一緒に食べない?」 「いいですよ。どこに行きます?」 上條君と松永さんの会話が聞こえてきた。 胸がチクッとする。 お昼一緒に食べるんだ……。 「どこがいい?」 「交差点の奥にある店、オムライスが美味しかったです。」 「じゃあ、そこに行こう。」 胸がズキンっとした。 胸が痛い…………。 上條君は私と一緒に行ったお店に、松永さんと一緒に………。 そう思っていると、根室さんが 「どうしたんですか?深刻な顔でお弁当を見て。」 不思議そうな顔で私を見た。 深刻な顔? 顔に出ちゃってる……? 「いいえ、なんでもないです。」 そう言って慌ててお弁当の蓋を開けると、袖にソースが付いてしまった。 あ、袖に付けちゃった……。 何をしてるの、私。 ティッシュを探して、拭き取ってもなかなか取れない。 拭き方が悪かったのか、染みが広がった。 いいや、先に食べちゃおう。 お弁当を急いで食べて、トイレに駆け込んだ。 ティッシュを少し濡らして、染みの所をポンポンと何度も叩いた。 さっきよりマシになったかな……。 トイレから出ると、上條君と松永さんが楽しそうに戻ってきた。 胸がチクッと痛い。 なんとなく上條君の顔が見れなくて下を向いていると、通りすがりに松永さんが 「的場さん、午後も上條君借りていい?荷物がいっぱいで持てなかったから、また買い出しに行きたいの。」 ニコリと笑った。 また胸がチクッとする。 午後からも2人で買い出し…………。 「……はい、どうぞ。」 そう言うと、上條君が 「松永さん、先に戻っててもらっていいですか?」 松永さんは不思議そうな顔をして上條君を見て 「分かったわ。午後イチに出かけるからね。」 そう言って松永さんが立ち去ると、上條君が 「的場さん、聞きたいことがあるので、給湯室に来てもらえませんか?」 え? 給湯室? でも、2人きりになっちゃう…………………。 そう思って躊躇っていると、上條君はポケットからスマホを取り出して操作する。 私のスマホが鳴って見ると、上條君からだった。 メールを開けると、『なんで暗い顔してんの?』 え? 暗い顔? そう思って、顔を触る仕草をして『暗いかな?』と返信すると、上條君はスマホを操作してポケットにしまって、歩いて行った。 私のスマホが鳴って、メールを開くと『暗い。今、給湯室に来て。仕事の話がある。』
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