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「見合い話が来ててな。」
「親分、俺はお断りします。」
「考えて返事してもいいんだが。」
「考えることもありません。」
若の横顔はポーカーフェイスをしているように見えた。だけど俺には少しの動揺が見えた。
伊達に長く近くにいない。
「好きな人がいるので見合いはできません。」
は?好きな人?それは俺も知らなかった。
ずっと一緒にいたのに、知らなかった。
若は立ち上がり、親分に言いはなった。
「とにかくこの話はなかったことにしてください。」
部屋を出ていく若を追いかけた。
「好きな人がいるんですか?若。」
「いるよ。」
「お付き合いしてるんですか?」
「片想いだよ。」
「若が片想い?モテるのに?」
「無理矢理、付き合いで行ったクラブのキャストにモテるくらいだろ。」
「それでもモテるでしょ?」
「そんなこと俺にはどうでもいい。好きな人と一緒にいられればいいんだ。」
若がそんな片想いしてるなんて知らなかった。
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