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なくした"自分"
―いつまで続くのだろう…まだ、終わらないのかしら…
ここにいても、楽しいと感じなくなった。
思えなくなった。
おじ様が…おかしくなったから。
いつからかおじ様は、私とおば様に対して、キツくあたるようになった。…特に、おば様に。
私に対してはそのときの機嫌によって優しいか、怖いかが変わった。それなのに…おば様には日に日に強く、キツくあたっていく。
見ていて、おかしくなりそうなくらいに、おば様に、キツく。
―私が助けてあげなきゃ…守ってあげなきゃいけないの
に…。どうして、動かないの…?動いてよ…っ!
私がおじ様にあたられているとき、
おば様はいつも守ってくれた、庇ってくれたのに…。
なのに私は…何もできないまま。
怖くて、足が…動かない。
ううん、違う、動かないんじゃない。動けないんだ…。
この場から…見ているだけ。
おじ様がおば様に暴力を…暴言を浴びせてるところを。
ただ、見てるだけ。
気付けば私は…心を、感情を、
"自分"すらも、なくしていた――――――。
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