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 アリスはカールのために、国のために、一生けんめいにはたらきました。  仕事にこまっている人には、新しい仕事をしょうかいしたり、食べ物にこまっている人には、食べ物をわけあたえたり、いろいろな仕事をこなしました。時にはアリス自身が町の人たちと、はたらくこともありました。  そうやってすごすうちに、少しずつアリスを信用してくれる人たちが、あらわれました。カールもほめてくれました。  アリスは、とてもうれしくなりました。自分の国にいたときは、だれも自分のことをいないもののように、あつかわれていたからです。  アリスははじめて、自分というそんざいを、みとめてもらったように思えました。とても幸せな日々でした。  しかし、そんな幸せは、長くはつづきませんでした。
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