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 なんと、アリスのお父さんが、戦争をしかけてきたのです。  アリスはお父さんのもとにいき、言いました。 「お父様! おねがいです。戦いをやめてください!」 「ほう。わしに口ごたえできるな。おまえの役目は、国王がわしに刃向かうことがないよう、見張ることだぞ」 「で、ですから、カール様にそのようなご意思はありません!」 「だまれ! もうこの国はいらぬのだ。戦争をとめてほしければ、国王の首を持って来い!」  それは、とてもざんこくな言葉でした。  アリスはカールを愛していました。愛している人をころすなんて、できるはずもありません。  アリスはお父さんを、キッとにらみつけました。 「ぜったいにいやです! カールさまのことも、この国のことも、これ以上、すきにはさせません!」  アリスははじめて、お父さんにはむかいました。
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