名前

3/4
前へ
/16ページ
次へ
「っ…お前の口の中サイッコー…マジ名器だわ…」 「ん…ありがと…」 「いや…喋りながらはエグっ……」 俺のことを呼ぶときには おい、お前、とか。とにかく名前を呼ばない 「あー…ヤバい…イきそっ…」 口の中に出したあと、愛しそうに俺を…俺の後ろにいる大地を見るんだ その目が俺に向いたら、それ以上に嬉しいことなんてないのに 目の前にいるのに、まるで俺はこいつの目には写っていないみたいだ 「あ…そのまま飲んでみて?」 ……ゴクッ 「ハハッ、飲ザー飲ザーw」 頬に手をやると、そのまま抱きしめられる 「愛してるよ…大地」 「…」 「…なぁ、こうた。キスしてやろうか?」 「えっ…」 「…ハハッ、嘘だよザーメン臭ぇ」 もう一ヶ月以上続けているのに 期待した俺が馬鹿みたいだ 「……」 「え…ごめん、何?」 「なんでもない。こうこう、もう帰っていいよ」 「…うん」 「また明日、ね?」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加