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千代は夢の中で理想の大人になる。
そして目の前にお友達が。
現れた大人の女性に戸惑うお友達。
「…えっと…その…。」
千代の声は小さくなる。
「…一緒に…入れて…。」
勇気を絞り出して、千代は言うと、皆少し驚き話している。そして男の子の一人が自分のフラフープを差し出してくれた。
「ありがとう!」
千代は笑顔で受け取る。
「私、フラフープ得意なのよ!」
千代はフラフープを腰で回して見せた。
本当に得意なフラフープ。でも本物よりずっと速く、ずっと長く回してみせる。お友達は少しまばらで拍手をするが、そのままお友達どうしで向き合って何やら話している。
千代のフラフープが止まる。
《…何か…違う…。》
千代の頭の中にはいつもの公園でいつもの姿で皆で遊ぶ姿。
千代の身体は大人からいつもの姿に戻っていく。
その姿にお友達はみんなぎょっとしている。
千代はうつむいた顔を上げて一言。
「一緒に!遊ぼう…。」
振り絞った声は裏返って、更に尻すぼみに。
でも、お友達はすぐに満場一致で
「いいよ。」
の返事をくれた。
千代はそして皆と遊ぶ。
ケーキを食べたときよりも大きな口を開けて笑ってお友達との時間を過ごした
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