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それから、帝は大切な人を喪った哀しみから御所に引きこもるようになりました。
主人公の皇子は、桐壺の更衣の実家に下がることになりました。
穢れ(忌中)の身で宮中にいるわけにはいかなかったのです。
桐壺の更衣の母は、女手ひとつで娘を育てた立派な女性でした。
この時代、頼りになる夫も父もいない状況で子どもを育てるというのは、現代人の我々には想像できないほど大変なことだったらしいです。
貴族から落ちぶれることもあったとか…
そんな時代、亡き夫の望んだとおり、娘を立派な女性に育て上げ、帝の後宮へ入内させたのです。(すごい女性だ!)
祖母が葬儀を行い、泣いて暮らしているのを、主人公は不思議に思って見ていました。
幼すぎる主人公は、死というものを理解していなかったのです。
哀しみに暮れる祖母の元に、宮廷の使者が訪れました。
桐壺の更衣に三位という位が渡されました。
それは、女御と同等の位でした。
更衣だから軽んじられた彼女を不憫に思った帝による、最後の贈り物でした。
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