光源氏の初恋

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源氏の君は、それをいいことに藤壺女御に会いに行きました。 御簾越しでしか会えなくても、笛と琴を互いに演奏し、たまに聞こえる声を慰めに日々を過ごします。 また、その頃、帝の命令で桐壺の更衣の実家がきれいに整備されました。 元々、源氏の君の祖母の努力できれいに整えられた家でしたが、祖母が亡くなってからはそのままになっていたのを今回きれいにしたのです。 これから二条院と呼ばれるこの建物を見に来ては、こんな家に理想の妻と暮らせたら、と嘆きます。 好きな人と結ばれることのない我が身を悔やむわけです。 叶わぬ恋が、まるで代わりを探すように、源氏の君を色好みに変えていくわけです。
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