雨夜の品定め

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これまでの話を聞いた左馬頭は、 ●いくら出世しても元の家が家なら、周りの扱いも違う ●元がいい家でも没落して金に困ったら周りの扱いも違ってくる ↓ つまりどっちの場合も中流だ、と言います。 都に必ずしもいなくてはならないわけではなく、地方の役人にも中流として恥ずかしくない者もいるという。 高官と呼ばれる位にやっとつくくらいよりも、それなりの位で、元の家柄がよく裕福である方が幸せだという。 倹約をする必要もなく、呑気に生活をする方がのびのびと育てられるのだとか。 源氏の君は「何事も金持ちでなくてはならないのだね」と笑い、らしくもないことを言うものではないと、頭中将にたしなめられるのでした。
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