光源氏が生まれる前の話

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話が逸れました。 物語冒頭に現れる帝というのは、主人公の父親です。 この帝は、若くして(十代)即位しました。 もちろん、政治の実権は貴族が握っていました。 後宮にも、有力貴族の娘たちがいました。 彼女達には○○殿と呼ばれる建物が与えられ、その建物の名で呼ばれていました。 とても虚しい人生だと思います。 国の最高権力者の肩書きをもちながら、実権はなく、帝にとって妻であるはずの妃たちも、実家のために子を成そうとし、その子を東宮(とうぐう)(皇太子)としようとしているわけです。 物語が始まる頃、帝には既に子供もいました。 主人公にとっては、異母兄にあたります。 それが、弘徽殿(こきでん)女御(にょうご)と呼ばれる、有力貴族の娘が産んだ宮(皇子)です。 弘徽殿の女御は、自分の子を皇太子にしようと今後躍起になる、いわば悪役です。 (悪役令嬢みたい) 覚えておいてくださいね。
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