おやすみ。～夢で逢いましょう。

学校の帰り道。
じゃあね、と手を軽く振り、シホと別れた。
私はただいまと家の玄関扉を開けた。

「お帰り～、今日はあんたの好きなカレーよ。ほら、早く着替えてらっしゃい」
母親が台所から顔を出し、にっこり笑う。
うんと頷き、足早に二階へ向かう。

「やっぱり、ママのカレーは美味しいなぁ」

「あらあら。何も出ないわよ？おかわりする？」

横からニュッと、皿を持つ腕が出る。

「俺が先だよ。ご飯大盛りね」

「ちょっと、私が先でしょう？」

母親は、揉める姉弟にケンカしないの、と苦笑する。

「ホラホラ、今日はパパがいないから、まだ残ってるから」

和気あいあいの家庭団欒。
楽しい食卓。