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どれだけ誤魔化しても僕たちはやっぱり遠い。この距離は簡単に埋められるものじゃない。
それでも、繋がっていたいから。
僕たちは距離を越えられるものを届け合うんだ。
「今日も私は瞬くんのことが大好きです」
「今日も僕は彩さんのことが大好きです」
どちらからともなく笑い声が漏れる。この言葉を照れずに言えるようになるのはきっとまだまだ先なんだろう。
だってこれは夢の中でも忘れないほどに本当の気持ちだ。
「じゃあ寝よっか」
「そうだね」
灯りを消してベッドに潜る。スマホの電源ボタンに指を添える。
そして、ぼんやりと光る画面に唇を近付けて。
今日も僕は頭いっぱいに君を想う。
「「おやすみ」」
(了)
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