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『明日は朝ごはん何食べるの?』 「そっか。明日は木曜日だから」 『そう、計画はお休み。合わせなくていいからね。まあ私は明日もメロンパンだけど』 「ほんとに好きだなあ」 『あのメロンパンとかいいつつ全然メロンの味しないとこがいいよね。尖ってて』  計画は毎日実行されるわけではなかった。  さすがに一日も欠かさずお互いの生活を重ねるのは現実的に厳しい。またそれがストレスになり破局に繋がったら元も子もないため、明晰夢デート計画は二人の授業の時間割が似通っている火曜日と水曜日、そして金曜日に実行することになっていた。 『もうそろそろ会えても良い頃なんだけどなあ。シーラカンスには会えたのに』 「古代のこと考えてたの?」 『いや考えたことないよ。もしかして夢の定義が間違ってるのかな』  計画開始からはや一ヶ月が経つが、僕たちはまだ夢の中で出会えてはいなかった。  眠っても夢を見ない。夢を見ても二人で同じ夢を見ない。なんだか寝付けない。  夜が明けるたび、失敗例が積み上がっていく。 「でも、今日こそ会えるかもしれない」 『そうだね』  しかしその夜も僕たちは会えなかった。ただ代わりに僕の見た夢にシーラカンスが現れた。夜の会話が僕の記憶に強く残っていたからかもしれない。  翌朝そのことを彩さんに報告すると。 『やっぱり夢の定義は間違ってなかったね! これは次こそ会えるかも!』  そこには文字しかなくても、彼女の嬉しそうな笑顔が見えて僕は少し笑った。 
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