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女の供述から情報の正しいものだけをシロが選別し、その裏付け捜査に他の者は走り回っている。本田病院の部分はこの女にも言ってなかったのか、それともレイと結婚すると言ってしまうと協力が得られないからか、この女には話していないようだった。
ただ、ヘビ男が多額の負債を抱えていたことは女も知っており、この女も1千万ほどの預金全てを既に巻き上げられている被害者でもあった。
数日後……
今日はS病院へ捜索に入る日でS病院に踏み込んでいる。オレとクロ達もS病院の駐車場でヘビ男が通らないかを張り込んでいた。もちろん、顔を知らないので、レイも一緒だ。本部のでかいロケバスのような車で中は広く快適だった。クロ達も自由にさせているから楽しそうでよかった。
今日の捜索を見てヘビ男はすぐに証拠隠滅に走るだろうことは予測できるから、そのための捜査員を本部から別に20人送り込んできていた。本部長もここが勝負どころと思ったんだろう。ここ数年、この手の大きな事件はなかったので、本部長としても全国から注目されることになる。次の異動で出世するためには、この事件が大きく報道されることだろうな。
あの電話に出た感じのいい本部長と、また会ってみたいものだなと思っていた。その時ロケバスの運転手が、「本部長がお見えになりました」
と言った。オレは「へっ?!」
とマヌケな声が出る。お付きの人だろうか、ロケバスのドアを開け「こちらでございます」
と案内している。
「やあやあお疲れ様オカコー君。レイさんもこんにちは。この猫ちゃん達があのすごい猫かい?ありがとうな。」
と、スーツではなく普通の作業着を着た本部長が入ってきてお礼まで言われた。
「実は私もね、こういうことは昔やってたんだよ。つい懐かしくなってね。ワハハハ……」
普通のオッサンになっていた……。
「あ、本部長、今回のことは本当にありがとうございます」
とオレは言うと、
「なになに、私は部下に気持ちよく仕事をしてもらうのが私の最大の仕事だと思ってるんだよ。別に特別なことをしたわけじゃないよ。それにね、君たちのことはまだ誰にも公表する段階ではないから、私も極秘扱いとするよう命じている。今後の捜査手法が根本から変わるかも知れないね」
と一気に話した。
そういえば、オレはこれからクロ達とどうなるんだろ?とか考えていたら、本部長がさらに、「この駐車場とその外側をグルっと囲むように、捜査員を配置しているけど、わかるかい?」
「え?全然気づきませんでした」
「もしヤツが逃げようとしても、絶対に逃がさないように指示を出しました。もちろん、建物の中にも何人も配置してますよ」
と言って笑った。
するとレイが、「あ!ヘビ男だわ!」
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