第三回 Little Story

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「それなら、ブラック・ローズ編の謎の呈示の仕方だって、今までのように派手さはないが、シンプルなところに大きな含みを僕は感じてるよ。姫宮亜耶弥には"(きょう)"という姉がいることが、ブラック・ローズ編で初めて明らかにされる。そして、その姉が実は行方不明ときてる。"ゴースト"という隠語がつけられて。しかも、姫宮亜耶弥本人の口からサラリとね」  古井も自身が気になったところをあげた。テンションを上げずに淡々と話す雰囲気に圭士は引き込まれていった。 「そこもそうよね。SupertailにおけるDestiny begins to move. よね。それになぞらえるなら、深和さんがここに現れ、作者を探し当てる最初の"Destiny begins to move. ―運命が動き始める。"が、この今なのかもね」  柳の発言に、圭士は鳥肌以上に身震いすら起こった。 「奈々、それは上手くまとめ過ぎだろ」  すかさず岡本が口を出す。 「そう? 素敵じゃない。私もDestiny begins to move. の波に乗ってみたいし」 「たく。これだから女は……」
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