第2話 『改築じゃァァァ』

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

第2話 『改築じゃァァァ』

 駄菓子屋タッちゃん。その由来は80年前。新婚の時であった。  とも子の旦那、吉本 辰彦(よしもと たつひこ)はタッちゃんと呼ばれ、地元の人たちに慕われていた。  二人で子供達の遊び場を作りたい。それが駄菓子屋をやるきっかけだった。  そして商店街の友人らと話し合い、旦那の名前から取ることになった。  ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎  まずとも子が手を出したのは店の名前だ。 「バババババ!! やはりこの名前はダサいのう!!」  そう言うと、とも子は看板をジャンプして外す。婆さんの3倍はある高さを飛び上がり、看板を蹴り飛ばしたババアの姿を見て、近くで寝ていた猫の目は飛び出す。 「バババババ!! さてなんて名前にしようか!!」  とも子が名前に迷っていると、近くの家のテレビの音が聞こえてくる。 「子供に勉強勉強って言いたくないですよね。ただいまー! 天神天神天神!!」  それは最近では聞かなくなったCMの音声。隣の家に住んでいる中山家の長男、圭佑(ケイスケ)君は大学受験に失敗し、それからは家に引き篭り気味だと聞く。  おそらくはそのヒキニートがコラ動画を作っているのだろう。とも子もその噂を聞き、たまにYouTubeで視聴している。再生回数の十分の一に加算されているだろう。  その音声を聞いたBBAは思いつく!! 絶好の案を!! 「バババババ!! これじゃ!!」  ばばあは自宅から巨大な筆を取り出すと、それを手に空中に飛び上がる。  そして巨大な筆を振り、家の屋根に壮大に文字を書く。 「今日からわしの店の名は、ビックカメラ!! これじゃ!!」  ビックな亀をラー油で食べたい。それがこの店の由来であった。 【後書き】  この婆さん!! 人間じゃねー!!
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!