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上記2点の理由から、一緒に暮らしたほうが早いのではないかという話になった。
2人のほうが経済的にも、距離的にも楽じゃない?と沙菜から提案してきたのだ。
2人とも今年で32歳だ。
一緒に住むなら同棲ではなく結婚、ということになる。
「じゃあさ、この機会に、結婚……しちゃう?」
結婚についても言い出したのは沙菜のほうだった。
結婚するともしないとも具体的に考えていなかった隆太は、「あ、うん」と言っただけ。
これで同意したことになったのだろう。
こうなると女性の行動は早い。
次のデートの際にはトートバッグいっぱいの物件や式場のパンフレットを持ってきた。
この日も、カフェで食事をしていると、話題は結婚についてばかりだった。
まだ自分が結婚するイメージが湧いていない。
そして隆太はかなりのめんどくさがり屋である。
具体的に同居や結婚の話が進んでしまうことが怖くもあり面倒でもあった隆太は、沙菜の話す全ての内容に生返事をしていた。
と、思う。
返事をしていたかどうかさえ定かではなかった。
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