1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「どう、寝心地は?」
「いい感じ!」
実際カプセルの中は驚くほど快適に感じられた。体全体がクッションに心地よく沈み込んで、全く寝心地の悪さを感じない。
「今日はこの中で寝るの。どうかな?」
ユウコはこれを聞いてちょっと驚いた表情を見せたが、やっぱり大分このカプセルが気に入ったらしく、「いいよ」と言った。
「そう、よかった。それじゃあこのフタを閉じるからね」
ユウコはまた頷いたが、マリがカプセルを閉じようとした瞬間、いきなり彼女の腕を掴んだ。
「……やっぱりちょっと怖いかも」
「大丈夫、大丈夫だって」
マリはそう言って笑ってみせた。
「全然怖くないんだよ。このカプセルに入るととってもよく眠れるんだから。それにすごく楽しい夢が見られるんだよ」
ユウコは暫くマリの腕を掴んだままでいたが、とうとう手を離すとまたカプセルの中に収まった。
「……じゃあ、また明日ね」
ユウコがそう言うと、今度はマリが彼女の手を握って言った。
「うん。また明日も、ずっと一緒」
「わかった」
「じゃあ、おやすみユウコ」
そうして、終にカプセルは閉じられた。
最初のコメントを投稿しよう!