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「社会人1年目に奈津がまた告白してまた振られて」
「それは知ってる」
「雅人はその後も相変わらず」
「あー……目に浮かぶ」
「奈津の方は知らないけど、それはそっちの方が詳しいだろ?」
「奈津はその後、彼氏はいないはず、確か」
「そか、だったらもうそれで全部。あと変わりなし」
「奈津と雅人は?たまには会ったりしてるの?」
「ん〜サシではどうか知らんけど、3人で、とかはたまにある」
「さすが!鳥海隊員。今後もよろしく」
「だからもう、潜入捜査やだって……」
懸命に渋ってみせるけど、おそらくまだ解放してはもらえまい。
めんどくせぇ……なんでさっさとくっついてくれんのか……
俺の安寧のためにも、早く決着をつけてほしいところだ。
何も変わらないまま社会人の日々は過ぎて、はや数年経つ。
大学時代の奴らとの距離感も相変わらず。
変わったことといえば俺に彼女ができたことくらいだが、まぁ、ここで語ることでもないだろう。
次に事態が動いたのは、社会人5年目がはじまったばかりの春。
前の年の秋から奈津は、珍しく長期出張で半年ほど熊本に飛ばされていて、4月にようやく戻ってきた。
それに合わせて雅人が飲み会をしようと言い出した。
雅人はその頃珍しく、1年近くも彼女がいない状態が続いていたから、どうせ寂しかったんだろうと思う。
その飲み会のあと、こっそり奈津に打ち明けられた、まあ3度目の告白と言えなくもない一連の出来事が三度目の正直になって、ようやく奈津は、念願の、雅人の彼女の地位に収まった。
めでたしめでたし、と、昔から奴らを見守ってきた俺たちは微笑ましい気持ちになった。
これでもう大丈夫、だったはずなんだけどな。
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