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「じゃあ私、行くから」
「おー」
ゴールデンウイーク初日の昼下がりのカフェ。
待ち合わせに使っただけのここで、なぜかあっさりと振られた。
躊躇なく席を立つ、今まさに元・彼女になった人を見送っても別に、泣きたいような気持ちにはならなかった。
情が薄いと言われる。
人に興味がないとも。
そんなことないんだけどなぁと思っていたけれど結局のところ、その通りなのかもしれない。
西山くんといるの楽しそう、と言われていい感じになって付き合っても、結局は振られるか関係が悪化してすぐに別れてしまう。
ギリギリ長くもったとしても一年には届かない。そんなことの繰り返しだ。
彼女はできる。付き合うのはそう難しくないのに、関係を育てていくことはできない。
友達ならちゃんといるのに、友情ならきちんと築けているはずなのにどうして恋愛になるとこうも拗れるのか、いまだに全然分からない。
まぁ、恋愛に向いてないってことなんだろうけど
今回はどれくらいもったっけか……半年、よりは長かったか……?
付き合っていた期間すら既に曖昧なあたりで、振られるのは当然なのかも知れなかった。
まぁ、慣れてるけどな
付き合った人数が多いと言うことはつまり、別れた回数も多いと言うことで。
こういうのは慣れてる。別に、傷ついたり落ち込んだりもしないんだけどそれでも、虚しい気持ちにはなったりはする。
あー、この後どうすっかなー
ゴールデンウイークは彼女と過ごすつもりだったから他に予定はなかったけど、初日にこのザマで、浮いた空白にかったるさが増す。
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