阿呍の星

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光が闇に満たされた世界、 君たちの理想の世界がこれを指す。 平和という造物はやがて、 朽ち果て止まった時の川になる。 神経のある緑歳たちは見る、 悔いては山になった屍に射す光の如く。 息遣いも耐え柵の森となる、 土から煙 決して沈まない月と化す。 魔物は昔ココに居た、 今の魔物は我々が化身だ。 漸く雲が明るくなる時には、 屍たちが這い上がる。 月と陽が重なる時、 屍たちが共喰いを始める。 魔物と屍の世界には、 黒い境界と闇の空に覆われる。 境界に生誕するは我が身たち、 あえてそれを人と言う。 こうして人間は産まれ生きている、 これからも この星を食い尽くすだろう……
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