俺の邪魔をするな!

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俺は、この時間が好きだ。 大好きなこの人と一緒にゴロゴロする時間。 なのに! なんだ、この邪魔な視線は!! こらーーーっ! 誰だぁーーっ!! 俺の邪魔をする奴は!! って、誰かは、もうわかっている。 視線を感じた方を見る。 やっぱり。 恨めしそうな目をした彼女がいた。 羨ましいなら意地なんか張らなきゃいいのに。 俺は、ベッドから抜け出し、視線の先の彼女の所に行く。 「そんなに羨ましいなら、意地なんか張るなよ。」 「誰が羨ましいですって?ぜーんぜん、羨ましくなんかないわ。」 と、踵を返して行ってしまった。 おいおい。 もういい加減にしてくれよ。 あんたがそんなだから、俺が愚痴られちまうだろ。 「彼女が冷たいんだよ。どうしてだと思う?」 それはそれは、切なそうに言うわけよ。 俺は、聞いてやるしかできなくて、なんだか申し訳ない気持ちになるんだ。 だから、あんたもそろそろ意地を張らずに、 彼を受け入れてやってよ。 おっと。 彼が起きてきた。 彼は、とてもいい奴だ。 朝、起きたら、自分の事より、まずは、俺たちの食事を用意してくれる。 それから、自分のコーヒーを淹れるんだ。 優しい奴だよ。 食事の準備ができると、彼女もゆっくりとやってくる。 彼が俺たちに言う。 「おはよう」 そして、ハグ。 俺は、男同士だか、このハグも受け入れている。 あいつは…。 やっぱり今日も、かわしやがった。 はぁ〜。 彼がため息をつく。 あいつは、勝ち誇った顔になる。 俺は、見兼ねて、彼に戯れつき、 2人で、床を転がり回って遊ぶ。 また、視線が痛い。 だからさぁ…。 俺は、横目で睨む。 "見てらんないわ" とでも言いたげに、あいつが場所を移動しようとした時、俺と戯れあっていた彼が、不意にあいつのアゴの下を触る。 あいつは、ハッと目を見開いたが、もう手遅れだ。 彼の優しい手からは逃れられない。 それでも、 なんとか、逃れようとするあいつに、 「もう諦めろよ。喉、ゴロゴロ言ってるぜ。」 そう言ってやった。 あいつは、顔を赤らめ、 「う、う、うるさいっ!」 歯を食いしばりながら答えた。 でも、もう無理だった。 コロンと寝転がり、彼に身を委ねた。 「負けたわ。」 「やった!やっと触らせてくれたね!」 彼の喜びが伝わってくる。 しばらく、彼はあいつと戯れあっていた。 仕方ない。今は譲ろう。 こうして、やっとあいつも彼を受け入れた。  そして、今夜も、俺と彼とあいつは、一緒のベッドで寄り添って眠るだろう。 往生際の悪いあいつは、今も時々、彼につれない態度をとるが、それでも、眠るときはいつも一緒だ。 彼が俺たちに優しく言う。 「おやすみ」 俺たちは答える。 ミャ〜。 クゥ〜ン。
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