していいの?

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「よ、酔ってるの?」 そんな言葉では逃がさないよ? 何も言わずに距離を詰める。 「恵実は清い交際しかできない?」 一瞬目を伏せた後、 「楓人君は…それじゃダメ?」 と聞いてきた。 はぁ!?マジで言ってるの? 「さっき お風呂上りに」 そういいながら耳まで真っ赤になっていく。 「Tシャツ着ないできたでしょ?」 うんとうなずく。 「あんなの見せたらダメだよ」 なんで? 「私おばさんだけど、意外と興奮するよ。 か、彼氏の裸だし…」 !!!!! ダメだ。 恵実より余裕あるふりなんてできない。 なんなんだよ!そのあおり方! 「むちゃくちゃ心臓ドキドキした…」 うつむいたままだけど声が震えてる。 触れてる部分が熱くなる。 「でも、楓人君とその…そういうことになったら、 恥ずかしすぎるから…。 なんていうか私、スタイル良くないし…」 気にしてるところが面白過ぎる。 「もし、もし電気消して真っ暗なら…いい…かな?」 もはや蚊の鳴くよりも小さな声になる。 俺の体温はどんどん上がっていく、気がする。 何も言わない俺に不安になったのか、恵実が顔を上げる。 多分俺ビジョンなんだろうけど、無茶苦茶エロい顔だ。 俺はこの機会を逃さないように、慌てて、 「さわっていい?」 と聞いてしまう。 「え?」 いや変な意味じゃないんだけど、 まぁ下心はあるんだけど。 ほっぺとかちょっと触れたいだけなんだけど、 もう変な感じにしかならない。 「ど どうぞ」 めぐもどぎまぎしている。 マジで、今日の高校生のほうがよっぽど大人だな(笑) そう思ったら少し力が抜けた。 恵実のほほに手を添える。 目をつぶってこわばった表情の恵実。 ほほの手をそのまま後頭部に移動させて抱き寄せた。 「恵実…。大好き」 そういうと、恵実も俺の背中に腕を回してきた。 「私も、大好き」 しばらくすると恵実が、 「あの…」と小さく訴える。 「上半身、また、み、見せてもらってもいい…ですか?」 (笑)なぜ敬語? 「見たいの?」 「さっきじっくり見れなかったから」 むちゃくちゃ食いついてくる。 「いいよ」 と言ってTシャツを脱ぐ。 “見たい”と言ったのになぜか照れてる恵実。 恵実の手を取って俺の肩に触れさせる。 ハッとした顔をしたけどすぐにふんわりと笑う。 「ドキドキする」 「ほんとに?」 「うん」 そう言った後そっと抱き着いてきた。 いやいや、俺のほうが緊張しちゃうから! でも俺も恵実のことを抱きしめ返す。 大人でありたいと思うから、頑張ってしまう。 「こんなにかっこいい人が、 自分の彼氏だっていう実感なかったけど、 こうしてると実感できる」 変な感想。 でもこんなふうに言うのは珍しいからうれしくなる。 やっぱりふんわりした雰囲気になっちゃうな、と思った瞬間、 肩口に唇の感触を感じる。 たまたま触れたその感触に、急に俺の中の何かが反応した。 そうなると恵実のシャンプーのにおいも、 触れている肌もみんな官能的に感じてしまう。  
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