やっぱり大変

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やっぱり大変

それからほどなくして、 恵実は離婚に向けて進みだした。 旦那さんは別れるという選択肢はないみたいだった。 恵実はいざという時のために、 いろいろ浮気の証拠を持ってたみたいだけど、 多分まだ旦那さんのこと好きだったんだろうな。 それはわかってしまう。 とてもいいひとだったみたいだから、 恵実のできないことは率先してやってくれてたみたいだし、 いいお父さんだったみたいだし。 できれば旦那さん有責にしたくないって、 離婚の理由をいろいろ考えてたみたい。 旦那さんの両親を説得するのも、 全部「自分のわがまま」 とかほかの理由を言ったみたいだった。 まぁ、俺を巻き込まないようにするのも大変だったみたい。 もし恵実と俺の関係をつつかれるなら 俺も黙ってなかったし、それでもかまわなかった。 そのくらいの覚悟はできていた。 でも、俺が巻き込まれることはなかった。 あと子供のこと。 上の女の子のことが恵実は特に心配だったみたい。 俺が娘に手を出したらどうしようって考えてたみたいだった。 そんな心配いらないのに。 むしろ恵実は、 自分がどれだけ俺に愛されてるかわかってない。 いやわからせないようにしてるんだけど。 恵実はずっと自分のほうが好きだって思ってたほうが都合がいい。 俺ってやな男だ。 でも恵実も鈍感だから、 俺の嫉妬に気づいてなくてありがたい。 とにかく離婚ってやることがいっぱいみたいで、 半年くらいは恵実は抜け殻になっていた。 「楓人君がいてくれてよかった。 1人だったらメンタルやばいもん」 と言ってくれる恵実をますます好きになる。
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