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何も気にしてないのか、
「さいしょはぐー、じゃんけんぽん」
と2人の声は重なり、ゲームは再開された。
「あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ」
「田辺、真似するなよ！」
「真似はお前だろ！」
「もう1回、じゃーんけんぽん」
「あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ……」
「ふ、ざ、け、ん、な」
ピコ。
ピコピコハンマーの音が短く鳴る。
「お前、ピコすんなよー」
「だって、あいこばっかだから！」
「真剣にやろ、真剣に」
「真剣にやってるよ」
「じゃーんけん」
「あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ……」
「勝った、あ、今ー！！」
最中の叫び声と共に、ピコ！
今度はピコピコハンマーが強く鳴る。
「あー！！」
「はい海都、負けー」
「くそー、貸せー！！」
ピコピコピコピコ。
「あ、お前、腹いせのピコは反則だぞ！」
「うるさいぞ」
ピコピコピコピコピコピコ。
ピコピコハンマーが連打で鳴る。
「こいつー、マジっ……ピコ強奪だ！」
「あー！！」
ピコピコピコピコ。
「いていていてー！ やられたー！」
「あっははは」
俺は布団の中でばっと目を開けた。
……寝られない。
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