くじ引き部屋の一夜

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 俺はがばっと布団から起き上がる。  最中と田辺は俺を見た。 「あのさ……本当に悪いけど、もうちょい声とその……ピコ小さめで。寝れない」 「分かった」 「ピコ小さめな」  2人はうんうんと頷く。  俺は布団の中にもぐりこむ。目を閉じた。  最中の声がこそこそになる。 「叩いてかぶってじゃんけんぽん」 「やばっ」  ピ  田辺の声とピコの音も小さくなったようだ。 「叩いてかぶってじゃんけんぽん」 「あっ」  ピ  俺はほっとする。  これなら何とか寝られそうだ。  もうちょっとで寝られる……というその時。 「もう1回な」 「うん」 「じゃんけんぽん、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ、あいこでしょ」  俺は布団の中で目をぱちっと開ける。  え、どんだけじゃんけん続くの?
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