幼馴染

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「もうすぐ中間テストじゃん。中間テストの点数が悪かったら、試験明けの練習試合、出してもらえないんだよ~」 だから、頼む!!徹は両手を合わせてお願いのポーズをした。 「そういえば、去年の学年末試験の成績、すっごく悪かったんだったっけ……」 つい野球の練習に夢中になりすぎたせいで、赤点を2つも取ったと、徹が言っていたのを思い出す。 当時は悪びれた様子もなく、笑いながらだったけれど……。 「あのねえ」 私は徹に見せつけるかのように、思いっきりため息をついた。 「無理」 「ええええ?? どうしてだよっ!!」 「ちょっと、声大きいから!」 教室にいたみんなが徹の大声に驚いてこっちを見たのに気づき、思わず私はたしなめた。 「なんで無理なんだよ」 拗ねた徹を、私は軽くにらむ。
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