大好きなひと

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放課後、終礼が終わると同時に私は教室を飛び出して、涼くんと待ち合わせをしている靴箱へ急ぐ。 「涼くん……」 靴を履き替えて外に出ると、そこには、ひらひら舞い落ちる桜の花びらの中、桜の木に寄り添って立っている涼くんがいた。 こんなにかっこいい人が、私の彼氏だなんて……いまだに信じられないなあ……。 まるで映画やドラマのワンシーンのような光景に、思わず私はじっと見入ってしまう。 「加恋?」 そんな私の視線に気づいたのか、涼くんは私を見て、手をあげる。 「行くよ?」 涼くんが、左手を差し伸べながら、私に微笑む。 「うんっ」 涼くんの左手を握る。 すると涼くんは、それに応えるかのように、私の右手をギュッと握った。
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