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「徹!」
ふと顔を上げると、同じクラスで幼馴染の徹がおにぎりを頬張りながらこっちへやってくる姿が見えた。
「もー、食べながら歩かない! 食べ終わってから歩く! 何度言ったらわかるの」
「まあ、細かいことはいいじゃん!」
「よくない! お行儀悪いよ!」
徹とのいつも通りのやりとりに笑う由夢を横目に、彼のために近くの椅子を机に運ぶと、徹はサンキュ、と言いながらドカッと座った。
「加恋、お願いがあるんだけど」
「英語の宿題?」
だいたいこうしてーと言いながらも、ほとんど毎日だけどー徹が昼休みに私の元へやってくるときは、宿題を見せてと頼まれることが多い。
きっと今日もこのパターンかと予想し、私から先手を打つ。
「あ! やべ! 次英語か!」
「そーだよっ」
「やべー、忘れてた」
「それで、用件は?」
英語のノートも貸してくれ、という徹を無視して、私はお弁当を食べながら一応聞く。
「あ、そうそう」
徹がおにぎりを飲み込みながら言う。
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