心の傷

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心の傷

 夢の中に現れた少女の幻影が、昼間の娘と重なる。 (関わればまた傷つくのだろう。化け物と蔑むような視線を投げつけられるのだろう)  俺は何度となく寝返りを打って少女の絡みつくような視線から逃れようともがいた。 「こんな思いはたくさんだ! 二度と人間なんぞに関わるものか!」  俺は再び降り出した驟雨の音に紛れ込ませるようにそう呟いた。
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