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多くの血を流した幕末期……維新の嵐。そして戊辰戦争、西南戦争……内戦を経て十数年。
思えばこの時は、束の間の平和と安寧を享受出来た時代の僅かな隙間だったのだろう。
一から百を生み出す事は存外に容易い。
だが百を維持し続ける事は存外に難しい。
私などは例えば八十九十と百の間を行ったり来たり出来れば御の字と思うのだが、千や万……それ以上を求める人々は多い。悲しい程に多いのだ。
「桐吾」
「はい」
「どんな時も側に在ってくれるか」
「天地神明に賭けて」
「一蓮托生だ」
「十の頃からそのように生きて来ました」
私は桐吾と共に、成すべき事を成す。
心強い道行きだ。
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