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私の目から、どんどんと涙が溢れる。自分の中の感情が飛び散って、散らかって、自分でも自分の気持ちに整理がつかず、どうしていいか分からなかった。
私は今、悲しいのか、寂しいのか、苦しいのか、それとも、嬉しいのか。
私の涙が、ぽたりと床に落ちた。トラがその水滴に鼻を近付け、すんすんと匂いを嗅いで、ぺろりと舐めた。その後また、私の顔を見た。視界が滲んでよく分からなかったが、トラが私を見ている。慰めてくれているのかもしれない。
「ありがとう」と言ってみた。
トラは「なあ」と返事をした。私は初めて、トラの声を聞いたのだ。ぼろぼろと涙が溢れて止まらなかった。トラは私の涙が止まるまで、私のことをじっと見つめていた。
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