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ヒルピションの血を引く人間が、短期間に全員亡くなってしまった。メイドも一人、道連れになった。
巷では、『ヒルピションは呪われた一族』『因果応報』『当然の報い』等という、噂や感想が溢れていた。
だが、その真相はわからない。
残されていたのは、最後までヒルピションの家に仕えたメイドの部屋になぜかあった、ヒルピションの最後の生き残りだったセトの手紙だけだ。
彼だけは『ヒルピションの最後の良心』として、本当に慕われていたため、その死は深く悼まれていた。
手紙は、そのメイドへ宛てたセトからのラブレターだった。その最後には、『ずっと側にいてほしい、恋人として』と書かれていた。
彼等は恋人同士だったのだろうか。
わからないが、憎からず想い合ってはいたのだろう。なぜなら彼等は身を寄せ、抱き合うような体勢で、眠るように死んでいたのだから。
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